脱初心者 ワクシングの意味を知る

スプレー

ワクシングに関して、「板の表面にワックスを塗る」だけという考えの方がいらっしゃるかもしれません。間違えではないのですが、それで全て正解ではないです。
特にアイロンを使用して行う、ホットワックスは高温の熱を加えます。物質は温度を加えると膨張し隙間が出来ます、その隙間にワックスを入れ込んであげるという作業です。目に見えない分子レベルの話になってくるので、判りずらい話になりますが、理解していればワクシング一連の行為の意味がわかり、作業の必要性も納得できると思います。

板が滑る理屈を知る

滑走面の素材はポリエチレン(PE)というプラスチックです。加工のしやすいプラスチック素材の中で、PEは低温度帯に対して安定する性質があります。雪面の温度で急激に硬くなったり、脆くなったりしにくい性質と、生産コストが安価なことで、スキーやスノーボードの滑走面として理想的な素材とされています。



これだけでは、PEが滑走性に関しては優位な印象がありません。
そこでワックスの存在が必要になります。ワックスの仕事は、錆びついたボルトに潤滑スプレーを吹いて暫くすると弱い力で抜けるのと似た原理と考えてよいです。PEと雪面との潤滑を担うワックスはパラフィンという素材で出来ています。パラフィンはPEとの結合性が良く浸透しやすいので長時間の摩擦や強い圧力を潤滑し続ける事ができるのです。

つまり、低温に強いPE製のソールに雪からの抵抗を軽減し滑走性を付加するためにワックスを施す必要がある、ということです。目に見えない部分で起こっている現象なので理解しずらいですが、ワックスをすることでソールの滑走性が発揮されるわけです。

ワクシング 熱をかける意味

ソール・ワックス・雪面で行われている現象は、ワックスを介した潤滑作用なので、ワックスを表面に塗ればよさそうに感じますが、それは違います。ワックスを厚く層のようにしてしまうと、柔らかいワックスは汚れを吸い寄せ、また硬い雪の結晶が刺さりソールに堆積してしまいワックス自体が滑走の妨げになってしまいます
ワックスはソールのPEに結合している部分が滑走性をあげるために必要であって、パラフィンとPEは分子レベルで結合させます。ソールに乗せるのではなく、ソールに密着させるのです。
熱を加えることにより、ワックスは流動的になりソールは膨張し、ソールの非結晶部分にワックスが浸みこんでいきます。これにより、持続性のある高い滑走性のソールになります。

ソールの非結晶部分が実は重要で、結晶化してしまうと強度的にはあがりますが、ソールとしての柔軟性が損なわれワックスの浸透する余地がなくなります
ソールの結晶化(ソールを焼いてしまう)はワクシング時に起こります。アイロンの温度が高すぎ尚且つ長時間一点に熱を加えたときに起こります。ホットワックス時に注意しなければならない点です。
ソール材、ポリエチレンのワックスが浸透しやすい温度は、約130°ぐらいです。ただしその温度を継続的にかけるのは非常に困難です、一歩間違えたらソールを焼いてしまいます。ソールを焼かない温度を断続的に行うのが現実的なやり方になります。
具体的には、アイロンの温度設定を100~120°にしてアイロンとの間にワクシングペーパーを使い、ゆっくりと止めないように熱をかけていきます。このやり方でしたら130°を超える温度にはなりません。実質は100°くらいの温度が数秒持続する恰好になると思います。これをソール全面×3回ぐらいやると、安全にソールにワックスを浸透させられるでしょう。100°では3分までが限界でそれ以上時間をかけても浸透しません。

ワクシング ワックスを剥がす意味

ここまでで、おわかりになると思いますが。スノーボードはワックスで滑るのではなく、ワックスの潤滑によりソールで滑るものです。ワクシング後の堆積したワックスは滑走性を落とすので、取り除かなければなりません
スクレーピングで極力冷えたワックスを削り落とします。そしてブラッシングです。ソールは細い繊維の集合体で表面の細かい溝に残ったワックスも取り除きます。新品の板でしたら、ソールの表面に毛羽やささくれのような状態があり、それをワックスの潤滑性でブラッシングし滑らかにする必要があります。
滑走ワックスでしたら更に、ファイバークロス(スコッチブライト)でポリッシングしてあげれば更に表面が滑らかになり、結合性の弱いフッ素を定着させ、滑り出しから良い初速が得られます。

更に上手なワクシング

板は常にどちらかのエッジ付近に乗っていることが多く、本当のフラットな状態でいる時間は少ないです。板を立ている状態ほど面圧は高く必然的に、ソールのエッジ近辺がワックスが抜けやすくなります。なので、エッジ付近は固めのベースワックスを使ってやるとベースバーンを起こしにくくなります。

雪質により抵抗の種類は変わります。ハイシーズンの低温で乾燥した時期は「静電気による抵抗」と「乾燥摩擦抵抗」に限られてきます。低温で結晶状態の刺さりやすい雪のために固めのワックスが効果的で、たまにグラファイト系のワックスを混ぜて静電対策をしてあげるとよいです。逆に、春先のような高温時は「汚れによる抵抗」と「水の吸い付きによる抵抗」が加わってきます。春雪は滑走性を阻害する抵抗が増えるので、一発のワクシングでの対応はなかなか難しいです。水の吸い付きはストラクチャーによってかなり改善出来ます。汚れに関しては、ブラッシングによるマメなクリーニングと、場合によっては簡易ワックスにシフトした方がよいように思います。

 

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初心者

Posted by youcyan